オレは雰囲気でファシリテーターをしている

こんにちはー!

こちらはファシリテーター Advent Calendar 2019 - Adventarの14日目の記事です。

 

adventar.org

 

まずは軽く自己紹介というか日頃やっていることについて紹介します。

私は日頃、アジャイルやDevOpsの導入支援を行っています。その一環として、様々なワークショップを実施しています。具体的にはフェニックスプロジェクトワークショップ、スクラムショーワークショップ、インセプションデッキ、VSM、TDD体験ワークショップなどです。自分だけでできないものは有識者を招いてやっていただくこともあります。

ということで、そういったワークショップのファシリテーターをする上でどんなことを考えているか言語化してみようと思います。

 

まず己を見つめ直してみて

そもそもコレまでの35年間を雰囲気で生きてきた私です。いざ「自分は何を考えてワークショップをしているのか」と考えた時に「コレだ!」というのが出てきませんでした。出てきてもまとまりがない。出てきたものも「毎回意識してるのか?」というと正直疑問…

ということで、他のAdvent Calendarな皆さんと違って「勢いだけの雰囲気ファシリテーター」であることを再認識しましたが、こんな雑多な情報でももしかしたら他の誰かの役に立つ素敵なクリスマスプレゼントになることもあると信じて書いてみようと思います。

また、師走で忙しい皆さんかと思いますので、ささーっと読めるようにタイトルだけ読めばポイント掴めるようにしておこうと思います(思いついたまま書いたのでダラダラしててすいません)。

 

自分が考えていることシリーズ

その壱「目的を合わせる」

「**ワークショップをして欲しいです」というクライアントからの依頼をきっかけに多くの仕事が始まります。既存のワークショップはそれぞれに目的があり、それに合わせてデザインされています。ただ、そのワークショップに関する理解度はクライアントによってバラバラです。

また、クライアントにはクライアントの目的があります。全社レベルのお達しもあれば、窓口になってくれている方の個人的な意向もあります。それらを聞いた上で、ワークショップの説明も行い、マッチしていれば実施します。ズレていれば他のものを紹介したり、ちょっとしたカスタマイズを行ったりします。

「コレなら目的達成できそうですね!」とお互いが思たら1つ目のゴールですかね!これでクライアントと私は同じ志を持つチームです!

 

その弐「参加者を知る」

クライアントの窓口の方に参加者の人数、所属、年齢層、経歴などを事前に伺います。特に単発ワークショップの場合は参加者層が分からないことが多々あります。参加者層が分からないと、前提をどこにおいていいか分かりません。前提を置き間違えると大半の人が話について来れなかったり、逆に冗長な話で暇にさせてしまいます。開始からコケる危険性が高まるので華麗に回避したい所です。

また、参加者の状態やフェーズによっては、予定していた講座・ワークショップが適していないことがあります。正確な参加者は把握できなくても、目的をすり合わせるタイミングで想定参加者を聞いておくことも必要です。

 

その参「参加者を整える」

必要な人には参加して欲しく、不要な人には参加して欲しくありません。またワークショップには人数制限があるものもあります。

クライアントが参加者候補を決めたり声をかけたりする前に「こういう役割・立場の方を呼んでください」とお願いしておきます。同時に呼べなかった場合の影響についてもお伝えしておきます。最終的に呼べるかどうかはクライアント次第になってしまいますが、最大の効果を狙うためには必要な人を集める必要があります。

 

その肆「必要な物を考えて揃える」

必要な物を準備するのは必須条件です。色々な色やサイズのペン、付箋、ホワイトボードあたりは大体必須アイテムです。

物以外にも部屋のレイアウトについても考えます。特に当日初めて通される部屋の場合は、最初の状態では「広っ!距離遠っ!」などなど、実施する内容に適していないことがまぁあります。テーブルや椅子の位置、ホワイトボードの位置、島ごとの距離感、ファシリテーターとの距離感などをいい感じに調整します。狙いたい雰囲気に合わせて雰囲気で合わせます。

忘れてましたがお菓子も!

 

その伍「アジェンダを作成する」

過去の実績やリハーサルを参考にしつつ、何にどれくらい時間をかけるか、どんな順番で進めるかを予め決めておきます。ワークショップの場合は型が決まっているものも多いですが、導入部分やまとめ部分は目的や参加者によって変えることが多いです。

特にワークショップでは予想外のことが起きたりするため計画していた通りに進まないことも多いです。ただ、計画を立てていないと差分が見えず、この先どこをどう変更して対応すれば良いのか検討しづらくなります。「計画に従うことよりも変化への対応」のために計画を立てるというかベースを作るという感じです。う〜ん、アジャイル(雑)

 

その陸「参加者と一緒に目的・ゴールを共有する」

ここまでは準備の部分でしたが、ここからは本番編です。(大枠決めずに書き始めているのでここが中間地点なのかも分かりません。)

大体最初にやるのは「なぜこの講座・ワークショップをやるのか」と「終了時に目指す状態」を全員で共有します。ワークショップは実際に体感して学んでもらうという面が強いので、ゴールを明確にしすぎるとそれを強要するというかリードしてしまうことがあります。故にかなり幅を持たせたゴールにするか伏せておくかどちらかにします。

どちらにせよ「あっちに進むよー」を最初に揃えておくことは重要だと思います。

 

その漆「クライアントに目的を語ってもらい自分達事にする」

その陸で書いた「目的を共有する」ですが、できれば自分では話さないようにしています。では誰に話してもらうかというと、クライアントの窓口の方であったり、一番思い入れのある方(決裁などもあるので立場が上の方が多い)に話してもらいます。

当人達にしか語れないような会社や現場で起きている問題、それを解決するためにどうにかしたいというアツい思いを語ってもらうことで、一般的な話ではなく自分達の話だという気持ちに切り替えてもらいます。

 

その捌「俺SUGEEEEしない」

大体最初に自己紹介をしますが、俺SUGEEEE感は出さないようにしています。むしろ「DevOpsDay Taipeiでも酔ってアチラの会社の社長さんに絡んじゃいました、テヘペロ」くらいのノリで行くことが多いです。

SUGEEEEしちゃうと全部SUGEEEE人に聞けば良いじゃん!従えば良いじゃん!SUGEEEE人万歳!みたいなことになっちゃう可能性もあります。

講座・ワークショップ中は答えを出すよりみんなで考えて欲しいので、できる限りフォロー役に徹するようにしています。SUGEEEE人と思われちゃってもプレッシャーですしね。でも考えてみたらそもそも俺SUGEEEEできること無かった。

 

その玖「楽しくやる」

講座やワークショップによってはちょっと落ち着いた雰囲気が良いものもあるかもしれませんが、基本的に私は雰囲気の調整がうまくできません。よって大体どの講座やワークショップでも同じ雰囲気になる気がします。落ち着いた静かな雰囲気というよりはざわざわしていることが多いです。

まぁ、きっとその方が参加者も喋りやすかったり挑戦しやすかったりするはず!と思い込んで想定しています。ポジティブシンキング!

 

その拾「素の自分でいく」

ワークショップでは様々なことを体験して考えて何かを学んで欲しいと思っています。結果はどうあれ、全力で考えて全力でぶつかった上でのものであれば学ぶものも多いと思います。ただこの全力というのが難しい…周りからの目を気にして意見を言わなかったり、言うにしても一般論っぽいのに逃げてしまうことも多い気がします。

そこで、まずは自分自身が体裁を気にしない姿を見せることで意見を言い合える雰囲気を作ろうと思いました。つまり「できるだけ素の状態で行動しよう」と意識しました。最初は「素の状態?自分らしさってなんだろう?」などよく分からなくなることもありましたが、今はどこでもあまり変わらず過ごせるようになってきた気がします。その捌と玖もあまり気にしなくなりました。

(肝心の「参加者が全力で取り組めているか?」を考えてみたらよく分からないですね…)

 

その拾壱「インプット↔︎議論を細かく繰り返す」

「**を教えるんだ!」なんて思うと色々語りたくなります。自信がないと更に語りたくなります。ずーっと語ってると語ってる方は気持ちいいかもしれませんが、聞いてる方は結構辛いです。しかも最初に聞いたことは忘れてるし、覚えているのも表面上のキーワードをなんとか掴んでるくらいのもんです。(このブログも語り過ぎ感ある)

と言うことで、小グループか参加者全員で議論する場を定期的に用意するようにしています。それぞれ強く印象に残っている所や感じ方は違っていたりしますが、それはそれで別に良くて、「講師」が話した言葉よりも「自分達」で体験したことや議論した言葉や流れとかでより強い理解や記憶になるのかなぁと思ってやっています。

 

その拾弐「できれば2人で臨む」

自分がファシリテーターやる時に誰かもう1人ついてきてもらうことが多いです。逆もまた然りです。2人でファシリテーターを分担するわけでもなくて、お手伝い 兼 観察者といった方が近い気がします。

あとでふりかえりができるのも非常に嬉しい点ですし、単純に心強いです。何かフィードバックを行う際に、相方が自分にはない視点でフィードバックしているのをリアルタイムで見ることができるので学ぶことも多いです。

 

いやぁもうみんなお腹いっぱいですよね!ということで自分が考えてることシリーズはここで終わり!

 

まとめ

見返してみると「準備大事だよ」というすごく当たり前なことしか言ってない気がします。

あとはやってみて改善したり自分に合ったやり方を探すのが良いと思います。やれば慣れるという面もあります。ということで何はともあれやってみるのは重要かなと。

ということで、雰囲気を大事にしながら雰囲気でファシリテーターやってる者の見解でしたー

 

次回

mah_labさんの「オンライン会議でのファシリテーションのススメ」です!

自分も一日何回もオンライン会議する身で色々と思うところや苦労していることがあるので参考にしたいなぁと思ってます!