ゴールに近づくための逆算ストレートと稲妻ロケット

これはファシリテーター Advent Calendar 2024 16日目の記事です。

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ファシリテーターとしてやりたいこと

ミーティングにせよ、研修にせよ、ワークショップにせよ、何かしらの目的のために開催されます。また、それぞれの場にはゴールがあるのですが、そのゴールを達成することがなかなか難しい!ミーティングにおける難しさについては、15日目のmkitaharaさんのこちらの記事でまとめてくれています。

私がファシリテーターとしてやりたいことは、その難しいゴールをみんなで達成することです。具体的に事前準備、当日の場作り、進行など、やることは色々あるのですが、今回はもうちょっと抽象的なアプローチ方法について考えていることを書こうと思います!

 

ゴールを達成するためのアプローチ

私がファシリテーターをすることになった時、または実際にやっている時は、ゴールに向かっていくために大きく2つのアプローチを使っています。

  1.  逆算ストレート
    • ゴール達成から逆算で必要な要素を考えていくアプローチ
  2. 稲妻ロケット
    • その時にベターだと思う一手を考えて実施していくアプローチ

どちらも使い所があり有効なアプローチですが、あまり機能しないケースもあります。今回は特にありがちな逆算ストレートで苦労するケースから考えていきたいと思います。

 

逆算ストレートの落とし穴

逆算ストレートはゴールから逆算できる場合は効率の良いアプローチです。例えば学習目標が明確で、ファシリテーターが学習対象を深く理解してる状態での研修です。この順序で、コレらを伝え、こんな体験をしてもらえば学習目標を達成できるはず、というのが想像できます。

逆に、ゴールがふわっとしている、ゴールを明確にすることが今は難しい、テーマについて理解している人が少ない、といった状況とは相性が悪いです。この状態でもゴールに向かっていく正しい唯一のルートにこだわると身動きができなくなってしまいます。

例えば、まだユーザーについて理解がない状態で中長期の目標を立てよう、というミーティングです。逆算で考えるためにもまずはゴールを立てる必要があるのですが、そのゴールが立てられません。参加者全員で考えても知識や経験が異なるため意見が合いません。なんとかゴールを決められたとしても時間の割に得られるものが少なく、場のテンションは下がり、停滞感が漂う状況になってしまいます。

加速度>0にしたい

分からないことをみんなで議論して共通理解を作っていくのも重要ですが、私は場の勢い、加速度のようなものを気にしています。その場の中でいきいきしている状態に近づいているか?進んでいると感じられるか?我々ならやれそうだと感じられるようになっているか?

場の加速度が0以下になっていると感じた場合は、稲妻ロケットに切り替えます。みんなが完璧に納得するゴールではないとしても、大枠の方向性だけ大体合わせて一歩目を決めて動いてしまうことで場を動かします。最短ルートでゴールに辿り着けないかもしれませんがそれでも良くて、留まり続けることで全体のエネルギーが減少することを防ぐことで結果的に早くゴールに辿り着けると思ってやっています。

ファシリテーターとしての幅を広げるぞ!

この2つのアプローチについても好き嫌い、得意不得意があると思います。私もそうなんですが、どちらかのアプローチばかり使いたくなります。これはdora_e_mさんが書いた8日目の記事に出てくる発散と収束にも当てはまります。

自分はどんなアプローチを使いがちなのかをふりかえり、あまり使わないアプローチも意識的に使うことで幅を広げられると思います。ファシリテーターをやっていると思いもよらぬ方向に進ことは多々あるので、どんな状況でも良い具体に対応できるファシリテーターになっていきましょう!